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スルメイカの触り
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ご来店のお客様からいろいろな質問を受けます。
スルメイカの触りが分からないのですが、どうすれば分かるようになりますかと良く聞かれます。
お客様が使っている竿、PEラインの種類、PEラインと仕掛けの間に先糸を入れているかどうか、幹糸の種類等をお聞きするとその中に原因はこれだろうというものがあります。

特に重要なのは竿です。感度が出ていなくて、曲がりのカーブだけを真似した竿が多くあります。ただ硬くすれば感度が出るかというとそうではありません、むしろ逆です。硬くするのには別の理由があるのですが、それすら分からず真似すれば売れるだろう的な発想なんでしょう。感度を必要とするイカ竿をチューブラー穂先で作るメーカーもあるくらいですから驚きです。きっとスルメイカ釣りをやったことの無い人が、少しかじった程度でこれと同じように作ってと工場に渡し、そのまま実釣テストも1〜2回ちょこっとやったくらいで市場に出して来るんであれば、使えない竿が出回るのも理解出来ます。そんな竿を掴ませられたらずっと触りは取れないままです。
また、メーカーブランドや価格が高い竿、さらには有名人が使っている竿なら使える竿だろうという思い込みだけで選ぶ方も、感度の低い触りが取りにくい使えない竿を掴ませられるケースが多分にあるのでしょう。
潮の速い海域や黒潮流路に近い潮温の高い深い棚の海域をあちこち攻めさせられている釣り人は、触りを取った後どうしたら掛けられるかを体に植え付けられています。ですから穂先の軟らかいイカ竿を使う方はまずいません。感度が出ていなかったり、触りが取れても掛けられないような軟らかい穂先を使っている方は、タダ巻きと呼ばれている底から棚までを低中速で巻き上げ、途中で触ってきたイカを掛ける釣り方しか出来なくなります。触りを感じ竿先を立て掛けにいっても軟らかい穂先は後からついてくるので間に合わず掛けられなくなるからです。20〜30年も前のようにイカが溢れるばかり沢山いて、次々と勝手にツノに抱きついてきた時代ならタダ巻きでも獲れることもあるでしょう。しかし、現在のようにイカはどこに行ったのかと言われるように数が極端に少なくなると、タダ巻きでは獲れなくなります。それは触腕がツノを掴みに行ってもツノは動いているので、触腕の中心ではなく先端に掛かることが多くバレ易くなります。また針先に乗っかっているだけで針先の奥まで刺さっていませんので、掛かったと思っても5〜6mも巻けばすぐにバレてしまうからです。思い当たる方もおられるのではないでしょうか。
ツノを動かなっぱなしにせず、止める間を設け触らせ、しっかりツノを抱かせて掛ける!これがいつの時代も海況が変わろうともプラヅノを使うスルメイカ釣りの基本と考えます。そのためには、コントロールが利き、掛けられる強さを持ち合せた感度のある触りの取れる竿が必要になります。

弊社の竿を使っていて触りが分からないという方は、まずPEラインをお尋ねします。何が巻いてあるか分からない、電動リールを買った時にサービスで付けて貰ったPEラインとお答えの方には、買った店に行き国産のPEラインを巻いて貰って下さいと申し上げております。海外物は製造コストを下げるために、キツク編まず緩めて編んだ物が多いと聞いています。国産PEラインはキツク編んであるため原料も多く使いますのでそれなりの金額になりますが、緩く編めば原料も少なくてすみ、価格も安く出来る訳です。見た目はPEでも感度は出ておらず、潮に流され易く余計に触りが分かりにくくなります。特に水深が深く潮流の速い時や二枚潮の時は明らかに違いが出ます。専門店ではそんな誤魔化しのPEラインを扱う店は無いと思いますが、自分達の店に来るお客様のレベルではそこまで分からないからと販売する店があるとすればとんでもない話しです。今流行りの延伸処理のキツイPEラインで、キズも無いのにいきなりプツンがあったとしても海外物よりはましです。皆さんもPEラインの巻き替えをリール購入店に依頼する時は、国産PEのよつあみ製かどうかだけでも確認してから巻かれることをお勧めします。made in japanとラベルに書いてあったとしても全て同じではありません。よつあみ製でも縦横の編み方により暫く使うと触りがボヤケてくるオッズポート以外のPEの方がより触りは取れます。隣りでバンバン掛けて上げて来るのに自分の方は触りすら感じない、横から見ても竿先に変化が出て来ない方は、PEラインを確認して頂き国産よつあみ製PEラインをご検討ください。国産PEラインを巻いていても、相当使い込んだ毛羽だったPEラインを巻いている方もいらっしゃいます。その毛羽立ちは落下速度を遅くするだけでなく、毛羽立ち自体が抵抗になり余計に潮を受け易くなっており、触りを上まで伝えにくくしていることをご理解ください。

次にPEラインと仕掛の間に先糸を入れている方がいます。はっきり言って先糸は必要ありません。付けている人にメリットを聞くと、いつも一定の長さで止められるので取り込みが楽になるとか、竿先にPEラインを絡ませないようにするためと返ってきます。では、デメリットは何でしょう。一番は感度を落としてしまうことです。せっかく全体的な感度を上げ、小さな触りでも取れるようにしているのに、先糸を入れることにより感度が鈍くなり、深い棚からの触りを吸収してしまい竿先まで伝わらなくしています。現在先糸を付けていて触りも取れている方はご本人の判断で構いませんが、今まで消されていて取れていない触りが取れるようになったら、より釣り方の範囲が広がり楽しめるようになるのではないかと考えます。先糸を付けていて触りが取れない取りにくいという方は、一度外してみてください、申し上げていることがご理解頂けると思います。以前、イカ乗合船でたまたま隣りに入った横須賀長井の有名船宿に通う釣り人から、スルメイカが触ったのが分からないと言われました。弊社の竿で分からい訳がないので、道具全体を見てみると先糸が原因なのは明らかでした。先糸を外してみたらどうですかと申し上げたら、下船時にこんなに違うんだね、皆が付けているから付けていたけどもう付けない、と理解して頂いたようでした。
二番目のデメリットは、PEラインと先糸との間に付けているサルカンを竿先まで勢いよく巻き上げるため、トップガイドのSICリングを割ってしまうことです。グラスソリッド竿のトップガイド交換は、他の素材とは違い熱を加え割れたトップガイドを素材の強度を維持したまま交換するのは難しくなります。イカ釣りに最適なシマノの電動リールを使っていれば、船縁停止位置を1m(2000番を除く)以上の任意の位置で止めることが出来ますので、巻き過ぎるということは無くなります。先糸を付けて止めた位置から手巻きで竿先まで巻き上げる必要もなくなり、船縁停止と同時に取り込みに入ることが出来、手数も少なくなりそれこそ取り込み時のバラシを減らすことも出来ます。
竿先にPEラインが絡んで外れないのは、元々船釣り用に開発されたガイドではないガイドを付けている竿だからです。特にLC、LDBの後に発売された投げ釣り用のKガイドを使っている竿は、チョコッと竿を横にしても外れません。新しいガイドが発売されるとそのガイドを取付け実釣テストを何度も繰り返します。その結果がLC、LDBを頑なに使い続ける理由です。

次に幹糸の素材です。
さすがに最近は少なくなってきましたが、ナイロンの幹糸は触りを吸収してしまいます。つい最近までナイロンでも伸びを抑えた製品もありましたが、遂に販売終了になりました。では、フロロカーボンなら全てOKかというとそうではありません。魚用の伸びるフロロと伸びを少なくしたフロロがあります。一般的には伸びるフロロは透明度が高く、伸びの少ないフロロは濁りがあります。その中間で透明度を高く、伸びを少なくしたフロロが以前のデュエルのイカスペシャルだったのです。無理を言って作って貰ったイカスペシャルでしたが、製造中止になり他社での生産も試みましたが、あのハリスはデュエルにしか作れないことが分かり諦めました。濁りはあるけれどもイカスペシャルの伸びに近いデュエル元祖船ハリスなら触りを上まで伝えることが出来ます。また、号数も上から段を付けて落とすのではなく、上の号数のまま一番下まで持って行ってください。細い号数のほうが伸びが出ますので、一番下のツノに触った触りを上まで伝えるには、太いままのほうが伝わり易くなります。試しにご自分でお使いのフロロカーボンハリスの太め細めの両方を引っ張ってみてください。伸びの違いが分かります。

海水温の上昇は、スルメイカ釣りにいろいろな影響を与えています。スルメイカは海水温が上がれば適温の水深を求めて潜ります。攻める棚は深くなり海の中は二枚潮になることが多々あります。二枚潮の時は道具を立たせることを考えなくてはなりません。立たせるためにはツノ数を減らし、PEラインの太さをワンランク下げ、船全体で下オモリの号数を変えればオマツリを避けつつ道具が立ちやすくなり触りが取りやすくなります。二枚潮だけでなく、着底してもシャクルたびに糸が潮に持って行かれ出て行くような速潮時も同じです。

海が変わってきているということをご理解頂き、触りの取れる高感度のFFTスルメイカSHスーパーハードを使い、よつあみ製の国産PE(オッズポート以外、出来たらウルトラWX8)を巻き、先糸は付けずに、幹糸はデュエルの船ハリスを段を付けずに同じ号数で下までもっていけば触りは取れます。
まずは、手元からオモリまで触りが取れるような道具立てになっているか、ご自分の道具のチェックをお願い致します。

 
 
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