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その竿じゃ硬くてバレる
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「その竿じゃ硬くてバレる、波のある時はもっと軟らかい竿を使わないとバレてしまう」とあるイカ船船長に言われたとお客さんが相談に来られました。即座に申し上げました、「そんな事はありませんよ、バレるバレないは上げ方の問題です。硬い竿だからバレるとか、軟らかい竿だからバレないという事ではありません。それは単に自分の好みを押し付けているだけです。今どきそんな事を言う船長がいるんですか?どこの船長ですか?
お客さんが硬い竿を使っていようが、その船長が本当にお客さんに釣って欲しいと思っているなら、お客さんの道具についてどうのこうのとは言いません。その硬い竿に合った釣り方を言うはずです、それがプロです。放っておけばいいのですが、どうしても言われるのが嫌なら他の船に乗ったら」と。
栽培遊漁の時代は、とうに始まっているのに残念な事です。どんな竿を使っていようがリールで巻き上げている以上、巻くスピードとドラグを調整しながら上げてくるのは当然です。波が高いのに竿をキーパーに掛けて、竿の弾力だけで上げようとしたって上がるはずがありません。
その船長は手釣り時代には、どうしていたんだろう。波で持ち上げられたら手繰りを止め、波の谷間に入れば速く手繰ってきてたと思います。それこそ手でスピード調整をしてきたわけです、これと同じようにするには、リールの巻くスピードとドラグ調整しかありません。今まで相談を受けた方には詳しくそのやり方について申し上げてきましが、硬い竿だからバレるというのをそのまま信用されても困りますので、今回敢えてリールの巻くスピードとドラグ調整につい
て申し上げます。。

イカ釣りの方にドラグの話をすると殆んどの方が、えっ、ドラグを使うの?って言われます。楽楽モードが出来る前は速度一定モードでしたので、ヤリイカ釣りではドラグを使っていました。どのようにしていたかと言うと、当時の電動丸はスピード調整がボタンでしたので、スピードを中速で固定し、ドラグツマミに右手を掛けて波に合わせながら、引かれればドラグを緩め、弱まれば締めて、ドラグツマミでスピードを変化させバラさないように巻き上げてました。この方法だと波が高かろうが竿が硬かろうがバラさず上げてこれます。現在、巻き上げは速度一定モードではなく、楽楽モードの自動調整を使っているのでこの方法は使っていませんが、せめてイカが暴れる水深に近づいていてきたら、楽楽モードのテンション設定を二つ位下げ、通過したら戻して下さい。バレが減ります。
どちらも一度試して貰えれば竿が硬いからバレるとか、軟らかいからバレないということではないとご理解して頂けると思います。そもそもヤリ・スルメイカ釣りで根元から曲がるような軟らかい竿では、アタリや触りは取りにくいし、慣れない方では全く分かりません。上げたら付いていた状態です。これでは折角イカ釣りを覚えようと入ってきた方たちには、なんだこんなものか面白くないなと期待はずれになってしまいます。イカ釣り人の高齢化は顕著です。多くのイカ船がその対応を行っている中、新しくイカ釣りに入ってこられる方たちにアタリの分かりやすい道具を使ってもらうのは、当然のことだと思います。慣れるまではアタリが取れる先調子の竿を使ってイカ釣りを楽しみながら覚えていって頂きたいと思います。人にもよりますが充分慣れてきたらどんな竿でも取れるようになります。また、電動リールにも良くありません。腰がなくタメが利かない竿だとリールに直接負荷がかかるため、負荷は最大になりモーター過負荷になりやすくなります。最悪の場合はモーターを焼いてしまいます。
近年の海水温の上昇は、いろいろなところに影響してきています。潮の流れは速くなり、適温を求めて水深も深くなってきています。道具も釣り方もその変化に合わせていかなければなりません。水深200〜290mというと、少し前の三七キンメの水深です。キンメならどんな竿でもアタリは出ますが、アコウはそうはいきません。アコウ釣りをしたことのある人なら分かると思いますが、軟らかい竿ではアコウの喰ったアタリを吸収してしまいます。周りの先調子の竿の人はアタリが出て送り込んで提灯行列で上げているのに、アタリが出ないために送れず付いても一匹です。イカ釣りとアコウ釣りでは根本的に違いがありますが、深い水深でアタリを取る事では同じです。深くなればなるほど、軟らかい竿ではアタリや触りは取りにくくなりますので、高感度の先調子の竿でしっかりツノを躍らせてイカを乗せて下さい。
最後にもう一度申し上げます。アタリや触りを取れるようになるのが先で、掛けてからのことを先に心配する必要はありません。硬い竿だからバレるとか、軟らかい竿だからバレないという事ではないのです。お使いの道具のコントロールです。上げてくる時に竿はキーパーに掛けたままにせず手で持ち、竿の上下で波をかわし、楽楽モードとドラグを使い、イカが暴れる水深に近づいたら設定したテンションを二つ位下げてかわし、通過したら戻して下さい。これでバレは少なくなります。
 
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